思い起こせば・・・
この海を眺めてもう16年になります。「海が見える所」を探していて運良く見つけたこの場所は、高齢でやむなく農業を断念していた方の畑でした。すっかり荒れた土地から見渡す眺めに心を動かされ住むことになった。近くの民家まで50m以上離れ、街灯もない。あるのは青い海と空と旺盛な雑草、図鑑でしか見たことのなかった昆虫などなど。50歳を少し過ぎた時、それまで住み慣れていた街を離れここに移り住んだ。今ではすっかり田舎暮らしに馴染んでいます。
「田舎に移り住んでいます」と言うと、必ず「畑仕事を始めたのですか?」とか、「魚釣りの趣味があるのですか?」と聞かれてしまう。海を眺めながら静かに暮らしたいだけなのですが。とは言え働かなければなりません。ずいぶんと前から、妻はイラストや写真の経験を活かしながら新聞折り込みのチラシ作りなどを個人事業でやっていたこともあり、「僕の定年後、二人で雑誌作りを始めよう」と。
ネットがあれば家で仕事ができるだろうと。雑誌作りのノウハウなど全く持ち合わせていない素人でしたが、企画書みたいなものを作って本屋さんに「こんな雑誌を刊行する予定です」と直談判したり、記事掲載のお願いに様々なお店巡ったりと、手探りでの毎日でした。朝家を出て、取材や調査で夜遅くなって帰宅したり、原稿作成に没頭したりと目まぐるしく活動している。その合間のちょっとした瞬間に海を眺めると気持ちが落ち着く。この場所で仕事が出来る事に感謝です。7年目を迎えています。日々の活動を記録しながら、これからの方向を模索するキッカケになればとブログを始めることにしました。
”大人のteatime"という雑誌を作っています。2ヶ月毎に発行しているタウン誌のようなもので、山口・広島の素敵なお店や頑張っている人たちを紹介しています。自分たちの目線で調査し、出向いて、取材をして原稿を作る。デジタル情報が溢れていて、いろんな情報が簡単に手に入る時代ですが、本を手にとって”ページをめくる”というアナログ的な良さを大切にしたいと思っています。ほんの少しでも心の通うモノになればと。これから不定期ですが地域の事、お店の事など、雑誌作りまつわる話を掲載していこうかと。